イロノココロ。

カラー(色)が人の行動や心理に与える力と、それをデザインに活用するための方法についてご紹介しています。

【赤】一番先に目に入る力強い色

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人間は日々何千万色もの色彩に囲まれて生きていますが、中でも「赤」系統の色にはいち早く反応する生理を持っています。

また、赤(アカ)は明るい(アカルイ)、明け(アケ)が語源だとも言われています。

「夜明け」によって一日が始まる時。まだ白い残月がほのかに光り、星がその輝きを少しだけ保ちつつある中、わずかな陽の光が揺れるように少しずつ、少しずつ地平線から出現し、その光によって辺りが輝きを増していく瞬間。すなわち人の眼に光が与えられ、目の前の世界が広がっていく赤い時。それは古代の人々にとって自然の力を強く感じる時だったのかもしれません。

色の中で最も長い波長をもつ「赤」は、交感神経に強い刺激を与え、体温や血圧、脈拍を上げていく作用があると言われています。やる気にスイッチを入れる色ですね。

 


同時に「危険」「警戒」を連想させ、注意力を喚起する色でもあります。おそらく照明等が無い古代では、夜明けと共に周囲の色が鮮やかになり、危険な動物や敵から襲われる可能性も高くなったことが一因かもしれません。

色彩心理というキーワードに興味を持ち、色々な書籍を紐解いていく中で、この「赤」についての作用は心理学的というよりも「生理学的」な力が強く、そして文化的な要素を超えて人類全てに対して、ほぼ共通の作用を持つ色の一つだということがわかりました。

確かにどの国においても危険を示す標識やサインには「赤」が用いられています。

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だからこそデザインにおいて赤の使い方は注意も必要ですし、その力を知って効果的に使えば、人の眼を引きつけ、行動に起こしてもらうためのパワフルな力のある色とも言えます。

全体が「真っ赤」なパンフレットやポスターからは、潜在的に危険や怖さを感じて思わず目をそむけたくなるのも本当です。通常の販促物のデザインでは、赤は彩度を落としたり、目立たせたいところだけを部分使いしたり、アクセント使いなどをすることで、伝わる力を強くすることができる色だと思います。

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